【アークナイツ】BSWについて

12月 8, 2024

Blacksteel Worldwide(ブラックスチール・ワールドワイド1、通称BSW)はクルビアを拠点とする組織であり、「クリップ」クリフをCEOとする大手警備会社。提携を結んでいるロドスには、リスカム・フランカ・ジェシカ・バニラ・アーモンドを派遣している。本記事では、イベント『ダーティマネー』及び世界観設定資料集『大地を巡る旅』を元に情報を整理する。

沿革

BSWの前身となるのは、サンクタである「クリップ」クリフが創設した傭兵部隊。1026年、傭兵として名を馳せていた「クリップ」クリフは、クルビア独立戦争やヴィクトリア時代の開拓を経験した退役軍人を説得し、自らを含めた5人のチーム「鋼鉄の輪(中文:钢铁之环、以下BSで統一)」を結成した。

当初、BSはクルビアの政府機関や企業からと正規の契約を請け負うことを主とした。正規の傭兵たちはリスクの低い事案のみ担当し、自分たちが負う必要のないリスクを内包する案件は下請けに流すというやり方で、リスクを顧みずに名を挙げようとする当時の傭兵たちとは一線を画していた。

1083年に発生したバロン鉱山事件(後述)により、BSの名声は高まりを見せる。半世紀以上前に創業したメンバーは既にこの世を去り、新世代の優秀な傭兵たちを抱えたBSは「武装人員派遣」「民間警備請負」という2つの概念を取り入れ、活動の裾野をボリバルやサルゴンといったクルビア国外へ広げた。

その後、バロン鉱区の損傷した採掘プラットフォームとクルビアから退役した機動戦艦を2年間に渡って修復し、「クリップ」クリフは彼らの拠点となる「バロン基地」を完成させた。この基地には管理本部が置かれ、物流供給や人材育成といった主要な機能を有する。

1086年、バロン基地が正式運用されると同時に、正式名称「Blacksteel Worldwide(BSW)」として、つまりテラにおいて国際的な活動を行う組織として、民間警備請負会社が誕生した。

バロン鉱山事件

1058年、クルビア南部の不毛の地にあったバロン鉱山にて、埋蔵量の申告と実態に乖離があることが、クルビア税務当局の目に留まった。オーナーは複数の容疑で逮捕された後、この鉱山は放棄される。

1079年、タワーヒル・バイオテック2がクルビア軍の支援を受けて鉱山での活動を再開。源石採掘を隠れ蓑に「源石変異実験室(中文:源石变异实验室)」を設置した。クルビア軍の広報担当はこの施設について、戦闘下における鉱石病感染の抑制に役立つと主張したが、実態としては源石を実験動物の体内に移植し生物兵器を作り出すための実験施設だった。源石によって突然変異した実験生物は突如として暴走。タワーヒル・バイオテックはBSへ、鉱山内に閉じ込められた人々の救出と、周辺地域の実験生物による脅威の排除を要請した。

23日間に渡る攻防の末、BSの傭兵たちは取り込められていた研究者を救出、脱走した実験生物を完全に駆逐した。クルビア軍は事件の隠蔽を図るが、折り悪くメディアによって暴露された結果、クルビア国防大臣が辞任する事態へと発展。結果として、BSの傭兵たちの名声は一気に高まり、マイレンダー財団からは「市民栄誉賞」が贈られることとなった。

組織体制

BSWの組織は管理本部、新兵センター、そして3つの主要事業部門「武装人材派遣部」「装備・応用技術部」「鉱物病・生物脅威対応部」から構成される。

管理本部

BSWにおける管理業務を担当している。社内の手続き管理、外部との交渉、商業及び法律に関わる事項は全て管理本部の事務職員によって処理される。管理本部の職員は傭兵時代の伝統に従い、実際に会計業務をしているかどうかに関わらず「会計士」と呼ばれる。管理本部の職員たちは基本的な外勤訓練こそ義務付けられているものの、過酷な訓練には参加しない。

新兵センター

バロン基地内にあり、各事業部門のニーズにあった専門家を育成する。新兵育成は軍事経験や戦闘経験のない新入社員が対象で、最大2年間の訓練を経て訓練生は評価を受ける。訓練は76%の新兵が脱落するという過酷なもので、BSW内では「新規採用者の訓練にリソースを費やすべきかどうか」という議論が絶えない。

武装人材派遣部

3つの主要事業の中で最も多くの人員を抱える部門。新兵センターで選抜された従業員で構成され、雇用主に対して信頼のおける武装人材を派遣するという、BSWの中核事業を担っている。職務の特性上、社外の人間がBSWとして接することが多いのは当部門の人員。

装備・応用技術部

現場テストを担当する機器技術者と武装テスターで構成され、時には各種機器の改良や開発も行う部門。設立当初、装備・応用技術部門はブラック・スチールの傭兵のみを対象とし、銃器の使用とメンテナンスに関するニーズに応えていたが、事業拡大に伴い多くの機器メーカーが新製品をテストする一大事業となった。

ジェシカは元々この部門に所属3しており、数多くの新型武器に触れ、テスターとして活動するうちに武器の改造や強化に精通するようになった。

鉱物病・生物脅威対応部

3つの事業部門の中で最も新しい部門で、生体防護処置チームを中核とする複数の特殊部隊で構成され、鉱石病の感染源や生物兵器、漏出した危険物質に対応する。生物脅威への対処に関する専門知識に加え戦闘能力も重視され、入念にメンバーが選抜される。

B.P.R.S(Biochemical Protection Response Staff、生体防護処置班員)

バロン鉱山の事件処理に携わったジャネット・ロングフェロー博士4が指揮を執る、鉱物病・生物脅威対応部における特殊部隊。当初はBSWの社員に源石及び感染者への対応に関する専門的支援を提供するために設立されたが、包括的な技術的・人的支援を提供する独立した部隊へと急速に成長し、複数の分野をカバーする専門能力を備える部門となった。

ロングフェロー博士はバロン鉱山事件のような、高リスクかつ機密性の高い案件を独自に処理できるようなチームを構築。源石による汚染や感染性生物学的危機に専門的対応を提供できる、業界でも数少ない民間警備請負業者へとBSWの地位を押し上げた。

リスカムとフランカの両名は、B.P.R.Sにおけるエースとしてロングフェロー博士から重宝されている。

BSWの模造銃

BSWの創設者であり、サンクタでもある「クリップ」クリフはラテラーノの銃器と弾薬のレプリカを製造する美術をBSWに持ち込み、その使用方法を社員へ訓練している。戦闘に銃器を用いることはBSWのトレードマークの一つ。

小型の銃器レプリカが広く普及したことにより、BSWの社員は近・中距離戦闘において多大な火力支援を得られるようになったが、当然銃を使用するためにはコストが必要となる。また、銃弾の発射にはアーツの高度な制御が必要であり、実戦環境において銃を扱うBSWに対して高い要求を課すことになる。

サンクタ以外のBSW従業員が銃の扱うハードルを下げるために、BSWの銃器は繰り返し改善しているが、人員の訓練と装備にかかるコストもまた増大している。バロン基地の新兵センターによる報告書では、サンクタ以外で銃器を扱う人材を一人育成するために必要なリソースは熟練したクロスボウ兵3人分に相当。

故に、BSW内でも一般的な銃器は小型で扱いやすい模造拳銃や模造猟銃に限定され、あくまで支援火力と戦術を補う役割として使用される。

BSWにおける感染者社員への対応

源石の蔓延するテラで活動する以上、BSWの社員も感染のリスクは避けられない。そこで、BSWは感染者対応原則として以下を定めている。

  • 感染者と他のオペレーターは戦闘任務や高難度任務に共同で就くことはない
  • 軽度感染者は広報支援任務や低難度任務への参加が可能だが非感染オペレーターに従うこと
  • 中度感染者は共同任務には参加できない 但し単独任務の遂行は可能
  • BSWは重度又は任務遂行能力を喪失した感染者との雇用契約を解除し十分な補償金を支払う
  • BSWは在職中の感染者に対して医療支援を提供する

他企業と比較してまともな対応こそしているものの、根本的には感染者に対する労働力の搾取であるとリスカムは指摘。加えて、BSW内における感染者に対する差別や偏見もまた他組織の例に漏れず存在する。

感染者への対応に際して、BSWが舵取りを大きく変えるきっかけとなったのが、アイアンフォージで発生した汚染物質漏洩事件及びB.P.R.Sにおけるエース社員、フランカの感染。当初、ロングフェロー博士の配慮によって病状が隠されていたが、フランカは感染者である自らが実績のないロドスの薬の有効性を示す「証拠」になると説得し、BSW内のキャリアと引き換えに当時まだ名の知れていなかったロドスとの締結をまとめた。

「クリップ」クリフの経歴

『ダーティマネー』スチル、若き日のルパート(クリフ)とウッドロウ

イベント『ダーティマネー』時点で90歳を超える「クリップ」クリフ(以下、クリフ)は、1016年に勃発したクルビア独立戦争がBSWを設立するきっかけになったと語る。同じサンクタである仲間とともにラテラーノからクルビアへ赴いた彼らは、戦争の勃発から集結までの全ての過程を目撃した。

ラテラーノ法はクリフに猛威を振るう暴力や死に立ち向かう方法を教えたわけではなかったが、彼はより現実的な方法で戦争に巻き込まれた兵士たちを救うことを決意する。クリフが選んだのは、制御可能な状況下で傭兵たちに選択肢を与える戦争の手法だった。

ある意味において、BSWは傭兵たちにとってのラテラーノを作り出したと言える。クリフは傭兵たちに今後のキャリアへの期待と道筋を示した。これらの所業から、クリフを「戦争の使徒」と評する者もいれば、「異常者」と切り捨てる者もいるが、いずれにせよBSWは大勢の人々の運命を変えた。

デイヴィスタウン事件

『ダーティマネー』CV-7 白熱 – 戦闘後 スチル

一言でまとめると、BSWの社員であるジェシカが地域住人と共謀して銀行強盗を行った事件。

鉱工業衰退によって財政破綻に陥ったデイヴィスタウンでは、地元政府の代わりに銀行が幅を効かせていた。不利な契約と脅迫といった裏工作によって地域の人々を締め出す銀行は、住人たちによる報復を警戒してBSWへ警備任務を依頼。

BSWより派遣されたジェシカは現地との交流を続ける中で、日々の生活に苦しむ地域住民たちに対峙し悪質な銀行に味方しなければいけないという立場に苦悩する。

やがて現地住人との共謀を決めたジェシカは銀行強盗を敢行。その後、BSWは離反したジェシカをはじめとする強盗グループの鎮圧した。クリフは銀行の頭首に対して資金を携えた傭兵によって交渉をかけ、強盗事件の民事責任追及を破棄させることで事態の収集にあたった。

強盗事件の関わったジェシカはその後もBSWに籍を残しているが、傭兵ではなくクルビアの開拓民としての生活を送っている。

脚注

  1. フランカプロファイル第一資料に全称として記載あり ↩︎
  2. 保全駐在ステージ「タワーヒル農業実験施設」を所有している企業 ↩︎
  3. 滌火ジェシカプロファイル第二資料、ロドスオリジニウムレコード黒鋼第二話等に描写有り ↩︎
  4. ロドスオリジニウムレコード黒鋼第三話以降に描写有り ↩︎

アークナイツ

Posted by shikine